私たちが考える
「100点の品質管理」とは

来日する造り手たちも飲んで笑顔になる「現地と同じ味」

100点か、0点か

保管時の継続的・断続的な高温環境や急激な温度変化によって、ワインの品質は著しく劣化します。ファインワインの輸入・保管にあたって最高度の定温管理を施すことはインポーターの基本的責務です。もちろんワインの品質管理はインポーターの倉庫で終わりではなく、以降の流通に関わるすべての方々からワインラヴァーまでたすきをつなぎながら、抜栓時まで継続されなければなりません。しかし、インポーターが管理すべき範囲が最大かつ最重要であることは明らかです。
ワインの集荷地から日本の倉庫までの長い輸送・保管プロセスにおいて、どこか一箇所でも定温管理の破れ目があれば、そこから修復不可能な品質劣化を招きます。ですので、例えば「80点の定温管理」といったようなものは成立せず、「100点か0点か」のどちらかになります。

 

2つの盲点

「リーファー(定温)トラックで造り手のカーヴからワインを集荷した後、輸送~集積~輸送~船積みまでの全内陸輸送工程において24時間体制でプラグオン(定温環境を維持)したまま、リーファーコンテナで輸入し、定温管理された倉庫で保管する」ことは、最低条件です。
私たちは創業以来、世界最大の国際輸送物流会社であるDHL社(現Hillebrand GORI社)にフォワーディング(国際輸送管理)を依頼しています。同社は2009年、集荷先の数が多いため複雑なオペレーションを必要とする私たちのためにブルゴーニュ事務所を開設してくださり、緻密・正確を極めた最高度のフォワーディングサービスを提供してくださっています。
国内保管については、定温管理のスペシャリストである新興海陸運輸(株)と協働しています。定温保管庫は特注設備投資によって私たちのために高度にカスタマイズされたもので、保管エリア全体でムラなく、温度15℃±1℃、湿度70%でワインを保管してくださっています。
しかしながら、これだけでは結果として0点となります。盲点となりやすい大きな破れ目が、定温管理プロセスの最初と最後に残っているためです。

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盲点1 集荷する時点で、ワインの品質がすでに劣化している可能性

いわゆる「並行物」(ワイン流通の過程において、造り手が望まない不正な形で並行業者が転売するバッタもの)がその際たる例です。並行業者の顔ぶれは、造り手と同じ国・地域にある商社や問屋、ワインショップ、ブローカーから、欧米各国の第三国業者まで様々です。わずかなマージンを抜いて右から左に流す並行業者にコストがかかる定温管理などは望むべくもないので、日本に輸入するため並行業者の倉庫に集荷に行った時点で、そのワインの品質が劣化している可能性があります。日本の並行輸入業者が仮に完璧な定温管理を施して輸入したとしても、そのワインが高温や温度変化の荒波に揉まれながら各地を転々とした過去は「なかったこと」にはなりませんので、品質劣化リスクは永久に残り続けます。
これは例えるなら、魚市場で売っている魚が、実は漁港からその市場までの流通の過程ですでに傷んでいたというケースと同義で、魚であれば市場のバイヤーが選別することができますが、ワインは魚と違って外見で見分けることはできず、購入して飲んでみるまでわかりません。そのリスクは丸ごと最終消費者に転嫁されることになります。
ワインは、必ず「漁港で」集荷しなければなりません。これが品質管理の「はじめの一歩」です。私たちのリーファートラックが集荷に向かう先は、造り手一軒一軒のカーヴ(蔵)です。これを「(生産者)蔵出し」といいます。
稀に、ワインの製造場所と集荷場所が異なる場合があります。例えばシュル・ピル(ビン買い)による蔵出しバックヴィンテージ・シリーズの「Lou Dumont LEA Selection」などが当てはまりますが、これらについても、ワインを引き取りに行く造り手のカーヴからLou Dumont社までの定温輸送を(わずかな距離であっても)徹底した上で、最終製品化を行うLou Dumont社よりリーファートラックによる集荷を行っています。

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盲点2 日本の倉庫のプラットフォームとドックシェルター

倉庫にはワインの保管庫の他に、入出庫や仕分けを行うためのプラットフォーム(荷捌き所)がありますが、このプラットフォームの温度管理が適切に行われているかどうかが決定的に重要になります。入庫時の仕分けや毎日の出荷の度ごとに、ワインは数時間にわたってプラットフォームに留め置かれます。ここでの温度管理が徹底されていないと、ワインは長時間、外気の高・低温や温度変化にさらされ続けることになります。
プラットフォームの温度を適切に管理するためには、外気と遮断した上で内温度を管理することができる「シェルター(密閉)式」であることが絶対条件です。また、プラットフォームと連結したトラックの搬入口(ワインの積み下ろし口)についても、同様に密閉式のドックシェルターでなければ意味がありません。プラットフォームとシェルターが正しく温度管理されていなければ、それ以前の定温管理はすべて無駄になってしまいます。
シェルター式プラットフォームとドックシェルターを搭載した倉庫は多くはありません。しかしながら、ワインの定温保管はもちろんのこと、とりわけ温度変化の影響を受けやすい「入出庫」にも適した設備を持つ倉庫会社を選定することも、品質管理を預かるインポーターの重要な責務であると考えます。

新興海陸運輸(株)の倉庫管理についてはコチラ
https://shinkokairiku.com/倉庫管理/

以上が私たちの考える「100点の品質管理」です。今後、IT技術のさらなる発展やAIの進化などに伴い、特にソフト面においてさらに高度な温度管理機能が実装されていくと予想していますが、そのような新技術についても先陣を切って導入していきたいと考えています。

「現地で飲むのと同じ味」を

現地で飲むのと同じ品質・味わいかどうかを正確に判断できるのは、そのワインの造り手だけです。私たちは創業以来、造り手と直に交流できる来日プロモーションに注力してまいりましたが、これまでに来日した多数の造り手全員が、「私の家で飲むのとまったく同じ味です!」とお墨付きを与えてくれています。(私たちにとって涙が出るほど嬉しい瞬間です)。
「現地とまったく同じ味」を楽しみたいワインラヴァーのみなさまに、私たちが考える本当の意味での100点のワインを、生産者の笑顔とともに実直にお届けしてまいります。