アルバ村から東に10km、コッサーノ・ベルボ村に1935年から続くぶどう栽培家で、1996年に2代目フランチェスコ・スカナヴィーノがワイナリーを設立して自社ビン詰めを開始、2008年に息子のミケレ・スカナヴィーノ（写真右）に世代交代しています。　
　バローロやバルベーラ・ダスティ、ドルチェット・ディ・ディアーノ・ダルバ、ロエーロ・アルネイスといったDOCGのワインも造っていますが、この生産者の白眉は、メトド・クラシコ（シャンパーニュ方式）による傑作スパークリングワイン、「ディアマン・ブラン」です。
　無類のシャンパン好きであるこの父子は、イタリアを代表するスパークリングワインメーカー複数社の指導も行う重鎮エノロゴで、メトド・クラシコのスペシャリストとして名高いアンジェロ・トリエッリを醸造コンサルタントに起用。高標高のため、シャンパーニュ地方に負けず劣らず冷涼な気候の中で育まれるピノ・ネーロ（ノワール）とシャルドネから、絹のような質感をまとった壮麗な作品を生み出しています。
　作品名も外観も味わいも、まるでシャンパンそのものですが、価格帯が異なります。この作品は、蔵出し価格の上昇が一向に止まる気配のないシャンパンへの、重要なアンチテーゼになっていると思います。