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ジャーナリスト訪問

2008-07-21

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ジャーナリストやインポーターのアテンドも、生産者の重要な仕事です。

 

7月18日、堀晶代さんとイギリスのビル・ナンソン (http://www.burgundy-report.com/) が、試飲のために「ルイ・シュニュ」を訪問されました。

堀さんに確認したところ、今回の彼女の目的は2007年ヴィンテージの試飲で、ナンソンの方は2006年ヴィンテージの試飲だったのだそうです。それで、訪問希望の日にちも同じことだし、だったら2006年と2007年を一緒に全部試飲しよう、ということで、合同での試飲となったそうです。

(尚、2007年ヴィンテージはアリゴテ以外はまだ樽熟成中ですので、バレルサンプルとしての試飲になります。)

 

 

「ルイ・シュニュ」は姉妹で運営しており、妹のキャロリーヌがぶどう栽培とワイン造りを、お姉さんのジュリエット(一番左)が国内外への営業販売を担当しています。

ちなみにジュリエットは、旦那さんとともにクルティエとしても活躍しており、2008年3月から、夫婦で発掘した特にコストパフォーマンスに秀でたワインを Juliette Chenu のブランドで紹介しています。(プロからも高い評価をいただいておりますので、見つけたらぜひお試し下さいませ)。

 

私も幾度となく「ルイ・シュニュ」を訪問しましたが、ここは毎回必ず、姉妹2人で試飲に立ち会ってくれます。

キャロリーヌは毎日畑仕事に忙殺されているので、普通のドメーヌだったら営業担当のジュリエットだけが立ち会ってくれるところですし、ジュリエットも栽培・醸造に精通していますのでそれでも十分なのですが、試飲の時間に合わせてキャロリーヌもドメーヌに戻ってきてくれます。

それは、実際にぶどう栽培とワイン造りに携わっているキャロリーヌ自身の口から、リアルタイムの現場の生情報を伝えたいという、彼女達の誠意とプロ意識の表れでもあり、またそれはある意味、この姉妹の「絆」の深さを表しているのだと理解しています。(フランスの相続制度にも問題があるのでしょうが、兄弟の仲が悪いヴィニュロンがいかに多いことか・・・)。

偶然かもしれませんが、写真の姉妹の服装も、色的になにかペアルックのようにも見えますね・・・(しかも渋い!)

 

ちなみに、アポイントの時間よりもちょっと早く到着してしまうと、畑から時間通りに帰って来るキャロリーヌを待つことになるのですが、ドッドッドッという音がだんだん大きくなってきて、やがて細身の小さな体で巨大なトラクターを運転する汗だくのキャロリーヌが現れた瞬間、、毎回のように、「ルイ・シュニュ」のインポーターとしての責任感というと大げさかもしれませんが、こんな彼女達の情熱の結晶としてのワインを、性根据えてきちんとお伝えしなければ、という使命感のようなものを、頭ではなく肌で感じる次第です。(今秋も訪問予定ですので、ちょっと早く着いて、写真撮ってきますね)。

 

・・・脱線しました・・。

 

脱線ついでにもうひとつ、堀さんとナンソンの服装にもご注目!

ボルドーの有名シャトーを訪問するのにふさわしいドレスコード(?)と比べると、ブルゴーニュは、それこそ価格交渉や割当交渉といった相当真剣な商談の場であっても、ネクタイなどする必要はさらさらないところです。特に「ルイ・シュニュ」の彼女達のような、何事にも自然体の新しい世代の造り手達にとっては、このようなカジュアルな服装で訪問した方がお互いにリラックスでき、会話も弾み、絆も深まります。(とはいえ同じカジュアルでも、堀さんとナンソンのこの清潔感のある格好は、参考になりますよね。)

 

最後にちょっとだけ本題に戻りますと・・・、

造り手にとって、ジャーナリストやインポーターとの試飲は、彼ら彼女達自身がプロの飲み手と意見交換しながら試飲できる、貴重な機会でもあります。ビン詰めが完了したワインは言うまでもなく、ちょっとの量での試飲がしやすい樽熟成中のワインであっても、造り手も(よほど心配性とかの人でない限り)それほど頻繁に自分のワインの試飲をするわけではありません。

特に新世代の造り手達は、良質なぶどうの栽培にこそ精魂を込め、醸造後はできるだけ手をかけず、良いぶどうが良いワインになってくれるのをジタバタせずに静かに見守るというスタンスの人が多いので、なおさらです。(ただし、ビン詰めのタイミングの最終決定など要所要所のハイライトの局面では、頻繁な試飲が行われます)。

 

「実は今回久しぶりに2007年の試飲をしたのですが、当初予想していたよりも遥かに美味しくなってて、とても嬉しいです。タンニンが甘く柔らかいので、口当たりはぶどう果汁のように滑らかで飲みやすいのですが、ワインとしての構造とコクはとてもしっかりしています。(2007年がファーストヴィンテージの)ショレー・レ・ボーヌもみんなで試飲しました。発売を楽しみにしててね!」(キャロリーヌ)